いつまで続くかわからないブログ/実験と挑戦

すぐ飽きる。最後までやりとげられない。物事を先送りする。そういう人のブログ。実験と挑戦。

現代の若者の就職難は女が働くようになって男の仕事を奪ったからだとのたまう84歳の当家長老。

年末年始は当家長老の家に宿泊し5泊6日の修行の日々を送った。そこで受けたダメージというか毒というか、それを吐き出さないと今年が始まらない気がする。

84歳の当家長老は自分の思うがままに行動し発言する。毎日の生活はいつだれが来ようが相手に会わせることなど全くしない。そして気分が高揚すると時代おくれであろうが、矛盾していようが延々と持論を展開し、しゃべりつづけ時に若者に説教をする。それが自分の役割だと自負しているのだ。

長老の家の近代化は、液晶テレビまでで止まっている。当然のごとくパソコンもスマホもない。ネット断ちするにはうってつけの環境だ。彼に言わせればバソコンやスマホはドラえもんの世界と断言しているから、それは現実でないということになる。インターネットの話をしても全く通じないし、むしろそんなものは「世の中の毒だ」(毒だと定義しているということは一応知ってるのかもしれないが、自分では見たことがない)と言い放ち、「そんなものを使っていると体中に毒がまわってしまうぞ!」(まあ、比喩として一理あるが)と訳の分からないことを言われてしまう。

長老の時代錯誤はこんなもんじゃあ済まない。私があるヨーロッパの国は人口が1000万人に満たないから国としての政治経済を維持していくためには男も女も関係なく働かないと成り立たないので、すべての職種で男女機会均等、収入も男女差がないと話すといきなり「現在の日本で若者が就職難だったり失業者が増えているのは、女が仕事をするようになって男の仕事を奪ってるからだ!女が家に入って家事と子育てに専念すれば、その分の仕事が男に回って失業者が減る!」と言い放った。

わけわかんない!! 爺さん、わけわかんないぞーーーーー!!!!!

と、いろんな経済の話の流れで、日本はエネルギー獲得を輸入に頼っているのだからそんな女性の職業権を真っ向から否定するようなことをしていては、国際関係的に通用しないよと私がいうと、これまたわけのわからないことを言い出した。

「それな、エネルギー問題だけどな、俺が考えてることが現実になったらノーベル賞もんだし、日本の、いや世界中のエネルギー問題なんか一気に解決するんだよ。ただ今はまだ”それ”が発明されないからダメなんだ!」なっ、なんだ「それ」って!?

 「それはな、エネルギーで一番使うのは電気だろ。その電気をまかなうためにな、バッテリーがあるだろ、そのバッテリーで出てくる電力を何百倍もの電力に変換する装置が発明されればいいんだよ。そして何百倍になった電力をまた何百倍に変換する、これを繰り返せば膨大な電力つまりエネルギーが使えるだろ。テレビとかコンピュータとか昔は影も形もなくて想像もしなかったものが発明されて今あるんだから、電力を増大させる変換装置も発明できるはずなんだ。俺はもう先がないし学も知識もないから出来ないけどな。だれかがやるはずなんだ。いつか実現すると思ってるよ俺は!」

って、意味全然わかんないからっ!!!!!

長老は「鬼平犯科帳」という時代劇が大好きだ。一緒にテレビを見させるときは有無を言わせずこの番組と決まっている。大晦日と元旦に通算5時間くらい付き合わされた。というよりストーブとこたつのある居間しかいられる場所はないから仕方なしに見る羽目になるのだ。あれほどの発言をする時代遅れの長老と5時間も時代劇を見ていると、自分がいったい何時代にいるのか訳が分からなくなってくる。テレビがあるから現代だよなあと思いつつ、いやパソコンがないから2000年代ではないなあとか、女は家を守り子育てするのが仕事なんて言ってるから明治時代かなあとか、もうほとんど100年近く前にタイムトリップしたように脳が錯覚してくるのだ。

いやもう84歳の当家長老のところへ行くのはほとんど修行である。自分を見失わず、どこまで彼の話に付き合えるか忍耐力を試される修行だ。5泊6日は長すぎた。まだ時差ボケが治りきっていない。

来年は1泊2日に短縮しよう。