いつまで続くかわからないブログ/実験と挑戦

すぐ飽きる。最後までやりとげられない。物事を先送りする。そういう人のブログ。実験と挑戦。

ブラック・アウト オールクリア1

SFファンの間では話題沸騰、こぞって読み漁っているコニー・ウィルスのタイムトラベルSF小説「ブラック・アウト」続編の「オールクリア1」まで読み終わった。1から「オールクリア2」へと続く大長編だ。なにせブラック・アウトで800ページ弱、オールクリア1で500ページ弱である。

小説の内容は2060年のオークスフォード大学の史学生たちが、現地調査と称して1940年代の第二次世界大戦下のイギリスにタイムトラベルで送り出される話だ。ほとんどが会話形式になっていて読みやすいし、劇画を言葉で読んでいる感じだ。ハラハラドキドキするし章ごとに場所や登場人物や状況が変化するし、その場面場面でこれでもかこれでもかと問題が発生していくので、ぐいぐい物語にひっぱられていく。そうなのだ。この小説は別に表現が詩的だとか文学的だとか深く考えさせられるとかいうものではなく、もうエンタテーメントに徹してる作品なのだ。

正直に言おう。私はこういう劇画的な小説は初めて読んだ。そして実はそれほど感動もしていなけば心底面白いとも思えない。あと続編を最後まで読んでみないと何とも言えないし、最後に心をわしづかみにされるような感動がまっているのかもしれないが、1300ぺージ読んでみてさほどのものではない。なぜSFファンの人たちがあれほどまでに盛り上がるのかとんとわからない。わたしにしてみれば、まあ面白いよね、暇つぶしにはいいよね、程度だ。

それよりも、私が自分に驚いているのは、1300ページの小説を15日程度で読み終わってしまったことだ!もちろんこの小説がとてもとても読みやすく、ぐいぐい引っ張っぱられるようにして読み進められたことも大きな要因だが、やっぱりある改善薬のおかげだと思う。

私の脳は生まれつきシナプス(情報伝達を行う部位)間の神経伝達物質ノルアドレナリンなどのモノアミン)の密度が低く、情報伝達が正しく行われていないという脳の前頭前野を含む一部に機能不全があり、常に気が散って5分と集中できず、メモリワーキングが非常に悪いため人や場所などを覚えるのがとても苦手ですぐ忘れてしまうし、物事を3つ以上同時進行することができない。だから読書なんてもってのほかで、続けて20ページ読めたらいいほうで、途中気が散ったり別のことやったり脱線しながら、200ページの小説を読み終わるのに3日から5日掛かっていた。

ところが、である。ある改善薬のおかげで1300ページの小説をたった通算15日で読み終えた。あれほど複雑で登場人物も多く、次から次へと舞台となる場所もくるくる変わり時代も変わるような小説をである。私は何十年もかかって今頃やっと集中力を獲得したのだ。なんと楽しいことか!集中力があるということは人生を充実させるものだとうこと今頃知ったのである。

「ブラック・アウト」「オールクリア1」を読んだのは、私自身への壮大な臨床実験だった。そして有用で有益な結果を得た。小説の面白さよりその結果をえられたことが私にとって何よりも重要で幸せなことだった。それがこの1300ページの小説を読んで得た成果でありこの上なく価値あることだった。

これから本を読んで読んで読みまくってやる!! 何十年分の穴埋めをするのだ!!